蒼青堂

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【退屈な106分】『ニノ国』 感想/これがレベルファイブの主力コンテンツなのか?

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文章:蒼崎青太郎(twitter:@seitaro_aozaki)

レベルファイブの人気ゲームをアニメ化した本作。

なんだかジブリチックな雰囲気が公開前から話題でした。

声優陣には人気若手俳優の山崎賢人、永野芽郁らを起用し、音楽は久石譲という非常に豪華な夏休みアニメ映画ですが、今回はそんな豪華な『ニノ国』の感想になります。

作品紹介


映画『二ノ国』本予告【HD】2019年8月23日(金)公開

レベルファイブの人気RPG「二ノ国」シリーズを長編アニメーション映画化。現実世界の自分と命がつながっている、もうひとりの自分がいる魔法の世界「二ノ国」を舞台に繰り広げられる少年たちの冒険を描く。レベルファイブの日野晃博が脚本を手がけ、スタジオジブリで高畑勲、宮崎駿作品の多くを支えてきた百瀬義行が監督。音楽もジブリ作品でおなじみの久石譲が担当する。車椅子生活を送る高校生ユウは、学校でトップクラスの成績を誇る秀才で、バスケ部の人気者ハルと、ハルの彼女コトナとは幼なじみだ。ある日、事件に巻き込まれたコトナを助けようとしたユウとハルは、現実世界と並行する魔法の世界「二ノ国」に引き込まれ、そこでもうひとりのコトナであるアーシャ姫と出会う。ユウはアーシャにひかれていくが、コトナを救うためにはアーシャの命を奪わなければならないということを知り、2人は究極の選択を迫られる。

ひたすらに退屈な106分

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またつまらぬモノを見てしまったというのが率直な感想です。

「一ノ国」とされる現代日本と、異世界アニメの舞台になりそうなファンタジー的な魔法の世界「ニノ国」がパラレルワールドとして並行して存在し、お互いの世界には容姿の似た人間が存在しているという良くありそうですが一見非常に面白そうな本作の世界観。

主人公のユウとハルは、ある事件がきっかけで命の危険に晒されている幼馴染でありハルの彼女であるコトナを救うべく、二つの世界を行き来して奔走します。

しかしながらいかにも面白そうなこの設定で、どこか説教臭く、ひたすらに退屈な106分が続きます。脚本がとにかく最悪。
キャラクター達もどこか表情が薄く、なぜわざわざアニメにしたのだろうと思う次第。

一番最悪なのが、物語の終盤でハルが本作のテーマのようなものについて突然だらだらと語り出して終劇。

これが現在のレベルファイブの主力コンテンツというのだから衝撃です。

そして何より違和感を感じたのが、障がい者に対する認識です。

主人公のユウは、幼い頃に飛行機事故に遭い両足が不自由で車椅子での生活を余儀なくされています。そんなユウを所々で「邪魔者」であるかのように見せたり、最終的に「一ノ国」から存在自体を消されたりと(ユウが自ら望んだことですが)なんだか少し障害者に対する認識が歪んでるように見えてしまったのです。製作側は恐らく障がい者に対して差別意識があったりだとかは全く無いとは思うのですが、無意識に歪んだ認識が出てきてしまっているような気がしてそれが凄く違和感を感じました。怖いというか気持ち悪いというか・・・

面白そうな世界観をぶち壊すようなつまらない脚本、表情が薄く終盤でテーマをだらだらと語りだすキャラクター、そして無意識に出てきてしまっている障がい者に対する歪んだ認識。久石譲の音楽以外の全てが最悪。

個人的には今年のワースト作品です。どうせ映画館に行くのであれば新海誠監督の『天気の子』を鑑賞されることをおすすめします。


・筆者プロフィール

蒼崎青太郎(Seitaro Aozaki)

1993年12月25日、福岡県福岡市生まれ。カルチャーマガジン『蒼青堂』主宰。大学卒業後の2016年4月に新卒で鉄鋼系商社に入社。営業として鉄工所やゼネコンへ鋼材や建築資材を売り歩くも、少し捻くれた性格からか会社員として働くことに限界を感じ、2019年6月末で退職。そして現在に至る。
趣味はアニメ鑑賞、映画鑑賞、読書、模型作りなど。二次元美少女と日本軍の飛行機が好き。オタク。
名前の蒼崎青太郎は本名ではなく、TYPE-MOONのノベルゲーム『魔法使いの夜』に登場する蒼崎青子が由来。
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