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【継続戦争を描く】『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』 感想/フィンランドから生まれた戦争映画の新たな傑作

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文章:蒼崎青太郎(twitter:@seitaro_aozaki)
フィンランド国内で『スター・ウォーズ』『パイレーツ・オブ・カリビアン』などを大きく上回る動員数を記録した本作『アンノウン・ソウルジャー』。

第二次世界大戦中の1941年6月から1944年9月までにフィンランドとソ連の間で戦われた継続戦争を描きます。1テイクに使用された火薬の量がギネスにも認定されたようです。

今回はそんな『アンノウン・ソルジャー』の感想記事になります。

作品紹介

これまでにも何度も映画化や映像化がされているフィンランドの古典的名作小説「無名戦士」を映画化し、同国史上最大のヒット作となった戦争映画。第2次世界大戦時、祖国防衛のためソ連軍を相手に戦ったフィンランド兵士たちの姿をリアルに描いた。1939年から40年にかけて行われたソ連との「冬戦争」で、独立は維持したものの、カレリア地方を含む広大な土地を占領されたフィンランドは、翌41年、なおも侵略を計画するソ連に対し、ドイツの力を借りて立ち上がる。これにより冬戦争に続く「継続戦争」が始まり、フィランド軍兵士たちは果敢にソ連軍へ立ち向かっていく。年齢や立場、支える家族など、それぞれ異なる背景を抱えた4人の兵士たちを中心に、戦場で壮絶な任務にあたる兵士目線に徹して戦争を描いた。

継続戦争を迫力ある戦闘シーンで描く

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本作の最大の魅力はなんと言っても大迫力な戦闘シーン。そんな戦場での戦闘シーンが本作の約7割程を占めているように思えます(あくまで体感です)。フィンランドにはここまで凄い戦闘シーンを撮れる監督がいるのかと羨ましくも思いました。

フィンランドの美しい針葉樹林と雪景色の風景の中で、フィンランド軍とソ連軍の血みどろの戦闘が行われます。祖国の領土を奪還する為に勇敢にソ連に立ち向かう小国フィンランドの兵士達。「人を殺すんじゃない。敵を殺すんだ」という熟練の兵士が発する言葉の重さ。「戦争反対」と言ったような台詞は一切ありませんが、戦う兵士の姿で反戦を謳っているように感じます。

銃弾が空気を切り裂く音を発しながら飛び交い、砲弾の雨が降り注ぐ。大迫力な戦闘シーンから、戦後に作られた戦争映画の中でも間違いなく傑作として評される作品であることは間違いありません。

第二次世界大戦を描く戦争映画といえば、大半が”連合国VSナチスドイツ”か、”アメリカVS日本”ばかりです。そこに今回”フィンランドVSソ連”の継続戦争という中々映像として描かれない題材で、戦争映画の新たな傑作が誕生したことにも意義を感じます。

ただ日本人が本作を見てどこまで共感が出来るのかは分かりません。ただでさえ継続戦争について知っている人がほとんどいない上に、やはりどうしても地味なテーマになってしまう気がしないこともないのです。僕もあくまでミリタリーファンとしては継続戦争を知っていましたが、正直期待していたほどのものでもなかったかなという印象を個人的に抱きました。

やはりフィンランド国内での興収を見ても、フィンランド人にしか共感出来ない部分も多くあるんだろうなと思うんです。

間違いなく傑作だし、戦闘シーンの迫力も保証するのですが、なんだかうーんという感じに陥ってしまう。僕自身も平和ボケしているんだろうか・・・

しかしとにかく迫力ある戦闘シーンが見たい、戦争映画が好きだという人には全力でおすすめ出来る作品です。


・筆者プロフィール

蒼崎青太郎(Seitaro Aozaki)

1993年12月25日、福岡県福岡市生まれ。カルチャーマガジン『蒼青堂』主宰。大学卒業後の2016年4月に新卒で鉄鋼系商社に入社。営業として鉄工所やゼネコンへ鋼材や建築資材を売り歩くも、少し捻くれた性格からか会社員として働くことに限界を感じ、2019年6月末で退職。そして現在に至る。
趣味はアニメ鑑賞、映画鑑賞、読書、模型作りなど。二次元美少女と日本軍の飛行機が好き。オタク。
名前の蒼崎青太郎は本名ではなく、TYPE-MOONのノベルゲーム『魔法使いの夜』に登場する蒼崎青子が由来。
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