蒼青堂

斜め45度のカルチャーマガジン

【#PrayForKyoani】『劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』 感想/「頑張るとは何か」・・・ 劇場鑑賞7回した者によるレビュー

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文章:蒼崎青太郎(twitter:@seitaro_aozaki)

京都アニメーション制作『響け!ユーフォニアム』テレビシリーズの続編、『劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』の感想記事になります。
本作は4月19日に公開が始まり、多くのシネコンでは5月下旬、6月上旬には上映が終了しております。この期間の間に僕はすでにTジョイ博多にて6回鑑賞しております。

しかしながら追加上映される映画館がいくつか決まっており、今回僕は7月20日より公開が始まった福岡県大川市の大川シネマホールという映画館まで赴き7回目の鑑賞をしてきました。

これから公開予定の映画館もあるようなので、詳細は以下の公式サイトを参照にされてください。

anime-eupho.com

作品紹介


『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』本予告

全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部で、2年生になった黄前久美子は、4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。全国大会出場校とあって、多くの1年生が入部する中、久美子たちの低音パートには、久石奏、鈴木美玲、鈴木さつき、月永求という4人の1年生がやってくる。サンライズフェスティバルやオーディション、そしてコンクールと、全国大会金賞を目標に掲げて進む吹奏楽部だったが、問題が次々と勃発し……。監督の石原立也、脚本の花田十輝らテレビシリーズを手がけたスタッフ&キャストが再結集した。

アニメ映画として、音楽映画として、青春映画としての最高峰

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まず僕が本作に関して抱いている印象は、とにかく大傑作であり、アニメ映画としても音楽映画としても青春映画としても最高峰の作品であるということです。

これまでの『響け!ユーフォニアム』のテレビシリーズでも散々描かれてきた吹奏楽部内の面倒臭く、必ずしもキラキラしているわけではない人間関係が、本作でも思う存分見事に描かれています。
思春期のまだまだ未熟な感情のぶつかり合いが実に素晴らしい。

北宇治高校吹奏楽部の全体の目標である”全国大会金賞”を目指して皆頑張るわけですが、その「頑張るとは一体何なのか」というのが本作の最大のテーマだと僕は思います。

日本社会というのが実に集団的主義的であり、個人がどれだけ何かに対して頑張ったとしても必ずしも評価されるわけではない。それは中学生や高校生だって同じな訳です。特に学年が違う人間が同時に所属する部活動という共同体は、年功序列という制度が目立ちます。本作から登場する一年生の久石奏は、中学時代の経験からそのことを十分に分かっていて、人を少し穿った目で見ています。

しかし「頑張るとは何か」という思いを抱きながらも、主人公の黄前久美子と接していくうちに、全国大会金賞に向けてユーフォニアムの練習を懸命に頑張るわけです。

他人の才能への嫉妬や決してキラキラしているわけではない部員同士の人間関係、頑張ることへの疑念を抱きながらも全国大会金賞を目指す・・・

これら全ての思春期における感情が、100分という短い尺に上手く、見事に詰め込まれています。

これまで等身大の人間ドラマを描いてきた京都アニメーションだからこそ描けたアニメ映画、青春映画だと思います。

圧巻の演奏シーン

クライマックスにおける演奏シーンは圧巻です。

本作のスピンオフ作品でもある『リズと青い鳥』で描かれる楽曲「リズと青い鳥」を演奏するシーンが約8分あります。演奏シーンのみでです。

滝先生の指揮、緊張からの汗を流しながらこれまでの努力を発揮する部員達が奏でる音楽に、時折垣間見える様々な想いが書き込まれた楽譜・・・
そして『リズと青い鳥』では最後まで聞くことができなかった、完成した希のフルートとみぞれのオーボエ・・・

背後にある部員達の想いを感じながらの演奏シーンのみの8分は全く飽きがきません。

はっきり言って僕はこの8分間の為に1800円を払う価値は十分にあると思っています。これまでの音楽映画と比較しても引けを取りません。
音楽映画としても非常に傑作であると思います。

2019年公開映画のベスト2

個人的には2019年に公開された映画では現状、実写映画、アニメ映画含めてベスト2です。

ベスト2である理由としては、先日公開された新海誠監督の最新作『天気の子』が個人的に圧倒的だった為ですが、本作も十分に圧倒的な最高峰な映画だと思います。

平成の最後、そして令和の最初に映画館で鑑賞した映画が本作で本当に良かったと心の底から思います。

先日起きた放火事件のこともあり、BD・DVDとして販売されるまでの期間はまだまだ先だと思いますが、これから公開される地域も少ないですがあります。

迷われている方がいらしたら是非とも映画館へ足を運んでみて下さい。

※『響け!ユーフォニアム』のテレビシリーズは1期、2期ともにdアニメストアにて配信中です。最悪テレビシリーズを未見であっても音楽映画、青春映画として十分に楽しめると思います。


・筆者プロフィール

蒼崎青太郎(Seitaro Aozaki)

1993年12月25日、福岡県福岡市生まれ。カルチャーマガジン『蒼青堂』主宰。大学卒業後の2016年4月に新卒で鉄鋼系商社に入社。営業として鉄工所やゼネコンへ鋼材や建築資材を売り歩くも、少し捻くれた性格からか会社員として働くことに限界を感じ、2019年6月末で退職。そして現在に至る。
趣味はアニメ鑑賞、映画鑑賞、読書、模型作りなど。二次元美少女と日本軍の飛行機が好き。オタク。

名前の蒼崎青太郎は本名ではなく、TYPE-MOONのノベルゲーム『魔法使いの夜』に登場する蒼崎青子が由来。
ご連絡は下記メール、又はTwitterのDMまでお願い致します。
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