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斜め45度のカルチャーマガジン

【2019年ポケモン映画】『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』 感想/名作の全編3DCGによるリメイクはどうだったか

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文章:蒼崎青太郎(twitter:@seitaro_aozaki)
1998年7月に公開された大ヒット作「ミュウツーの逆襲」が、20年の時を経た今フル3DCGで新たにリメイクされました。

作品紹介


【公式】「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」予告2

1998年公開のポケモン映画シリーズ第1作「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」をフル3DCGでよみがえらせたアニメ映画。全てのポケモンの“はじまり”と言われ、「清らかな心と、会いたいと強く願う気持ち」の2つを持つ冒険者の前にだけ現れるという幻のポケモン・ミュウ。世界中のポケモン研究者がその行方を追う中、ついにある科学者がミュウの化石を発見し、それをもとに禁断の行為に手を染めてしまう。人間のエゴによって生み出された伝説のポケモン・ミュウツーは、自身の存在理由も分からないままに兵器としての実験を繰り返され、心の中に人類への憎悪の念を宿していく。劇場版第1作でミュウツーの声を演じた俳優の市村正親が再び同役を担当。これまで数々のポケモンアニメを手がけてきた湯山邦彦と「ルドルフとイッパイアッテナ」の榊原幹典が監督を務める。

やはり思い出補正が強くなってしまう作品か

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1998年の「ミュウツーの逆襲」の公開当時は、僕はまだ4歳でした。しかし母親に連れられて映画館に見にいった記憶は残っています。

公開終了後も、近所の友達や幼稚園の友達と一緒に、VHSをよく見ていたなという記憶があり、僕と同年代の世代はかなり思い出の強い作品であることは間違いないと思います。
それと同時にポケモンという子供向けコンテンツであるにも関わらず、テレビアニメの劇場版作品としては国内外からも非常に評価が高い名作でもあります。

そんな「ミュウツーの逆襲」を2019年というタイミングで、監督も脚本も同じ人物で、しかもフル3DCGでリメイクしたわけです。

名作にはある程度忠実ですが、フシギバナがリーフストームやエナジーボールなどのゼロ年代以降に登場した技を使うといった遊び心もあって非常に良かったと思います。

ただ一つ疑問なのが、今の子供達が本作を見て楽しめるのかということ。

98年当時に幼稚園時や小学生だった子供たちは今や大人となり、その子供世代がポケモンを見ているわけですが、今のアローラ地方が舞台のポケモンアニメには、カスミもタケシも出てこないわけです。
ましてやサトシの手持ちのポケモンというのは、ピカチュウ以外は全て変わってしまっている。

やはりこの作品というのは今の子供たちではなくて、当時子供だった大人たちに向けって作っている感が否めない。明らかに大人たちの思い出補正を狙いにいっている。

僕は子供向けのコンテンツというのは、やはり子供が一番楽しんでくれなければ意味がないと思うわけです。もしかしてカスミやタケシではなく、リーリエやスイレンが出てきた方が楽しめたのかもしれないし、夏休みの思い出としてもその方が強く残ったのかもしれない。それだけが少し心に引っかかる思いがしています。

2Dからのフル3DCGはどうなのか

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本作はこれまで述べてきた通り、全編がフル3DCGです。正直CGの出来はアメリカのディズニー等には及ばないものの、かなり良く出来ていると感じました。

海中での演出やポケモンの質感、特にミュウツーのつるつるとした皮膚の感じは凄くて、これは2Dでは表現出来ないですし、3DCGでリメイクした意味はあったのかなと。
あとはポケモンの技も2Dにはない迫力があって良かったと思います。

ただ人間に関しては動作の演出も含めて若干の違和感のようなものを感じてしまいます。これはやはり2D特有の漫画的な演出方法が出来ないという点があるのかもしれません。ここは2D作品を3DCGでリメイクするには難しいところだと思いました。

しかし全体的にはよく出来ていたと思いますし、我が国の3DCGアニメが今後どのように進化していくのか、改めて楽しみになりました。


・筆者プロフィール

蒼崎青太郎(Seitaro Aozaki)

1993年12月25日、福岡県福岡市生まれ。カルチャーマガジン『蒼青堂』主宰。大学卒業後の2016年4月に新卒で鉄鋼系商社に入社。営業として鉄工所やゼネコンへ鋼材や建築資材を売り歩くも、少し捻くれた性格からか会社員として働くことに限界を感じ、2019年6月末で退職。そして現在に至る。
趣味はアニメ鑑賞、映画鑑賞、読書、模型作りなど。二次元美少女と日本軍の飛行機が好き。オタク。

名前の蒼崎青太郎は本名ではなく、TYPE-MOONのノベルゲーム『魔法使いの夜』に登場する蒼崎青子が由来。
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